だけどそんな俺の気持ちを杏菜が知るはずない。
昼休みには、ふわふわした笑顔で美術室に来る。
「珀疾さん、来ちゃった」
「お、おう…。座れば?」
「あっ‼︎和泉さん、こんにちは〜‼︎」
「よ、杏菜ー」
ソファーに座って、俺にぴったりくっつく。
くっつかれても大丈夫。
和泉がいるから、杏菜と2人きりじゃねーし。
「あの〜、珀疾さん」
「ん?なに?」
「今日一緒に帰れません‼︎放課後、千香と遊ぶので…」
「そっか。千香ちゃんと遊ぶのか。楽しんで来いよー」
「うんっ‼︎」
なんか、彼氏ってより杏菜の父親化してね⁉︎
少し距離空けるのはやっぱダメだ。
「…食いてぇ…」
「へっ⁉︎お腹空いたの⁉︎お昼は?」
「食った。けど、うまそう…」
「た、食べ物見えます⁉︎何が、うまそうなの⁉︎」
和泉は腹を抱えて、ゲラゲラ笑う。
杏菜がすげぇ天然で良かった〜……。

