【珀疾side】
スマホに付かないから、キーケースに付けた羊。
杏菜が側にいなくても、近くに感じられる。
前なら、ぜってーしなかったコト。
それを今、杏菜としてる。
どんだけ好きなんだよ………。
お互い家も離れてるから、会わない時は電話とメール。
デートしてから回数が、ぐっと増えた。
必ず夜に、俺か杏菜のどっちかが電話をする。
蒸し暑過ぎる熱帯夜、杏菜からの着信。
『珀疾さぁーん‼︎』
「すっげぇ元気だな、お前。暑くね?」
『暑いけど、今日すごく楽しかったんです‼︎』
「なんかあったの?」
『うん‼︎千香とか、中学の時の友達と久しぶりに遊びました‼︎』
千香とか………複数形⁉︎
「そのメンバーに男は…?」
『あははっ‼︎いませんよ〜』
「よし、文句ナシ。好きなだけ遊べ」
電話から聞こえる杏菜の笑い声。
お前、可愛いから心配なんだよ。

