優しい先輩はとんでもない不良でした




帰り道は駅まで送ってくれた。


絡めた指が解けるのはすごく寂しい。


「今日はありがとうございました。可愛いワンピースまで…」

「似合ってたから買ってやっただけ」

「ご飯だって奢ってもらっちゃって‼︎」

「それは、杏菜を餌付けしてぇだけな」

「もう‼︎餌付けってなんですか‼︎」


あたしは動物じゃなくて彼女です‼︎


「嘘だよ」と笑って見せて、あたしの肩を引き寄せ頭を撫でられる。


きょ、距離が近いっ……。


「ほんとは、杏菜のこと甘やかしてぇの」

「へっ?」

「マジで可愛過ぎだろ……」

「そんな事ないですよ…」



珀疾さんがすごく甘い。


至近距離で目が合うと、そのまま近付く端正な顔。


「少しだけ、な」

「…んっ…」


一瞬だけ触れた唇。


ドキドキし過ぎて、息が苦しくなっちゃいそう……。


体温が1度上がった気分。



そんな甘い空気の中、電車が到着してバイバイの時間。


「気を付けて帰れよ」

「うんっ。あのっ…今日はすごく楽しかったです‼︎」

「俺も。またどっか行こーな」

「はい‼︎」


寂しくなんかないもん。