電話もメールも一切何もナシに経った1週間後。
リビングでスマホをいじってると、ちょーど着信。
ディスプレイが表示するのは『あんな』の名前。
慌ててソファーから起き上がり、部屋に駆け込んだ。
「あ、杏菜…?」
『杏菜です‼︎珀疾さん、珀疾さん‼︎聞いて下さい‼︎』
「ん?」
『数学と化学の両方とも合格しました‼︎デート‼︎』
「おお、良かったな〜。偉いじゃん」
電話の向こうで、照れてる声が聞こえる。
そして、すぐにデートの提案。
『デート行きたいです‼︎いつ行くの⁉︎』
「じゃあ〜……今週の土曜」
『何も予定ない‼︎バッチリです‼︎』
「場所は杏菜の行きたいとこで」
『やったぁ‼︎行きたい場所あるんです‼︎』
最近、新しく出来たショッピングモールに行きたいとか。
俺は杏菜の行きたいとこなら、どこでも着いて行く。
『楽しみ過ぎる〜…。早く会いたい…』
「…すぐ会えるよ」
「俺も」なんて照れくさくて言えなかった……。
案外、杏菜の方が素直に気持ち伝えてくれてるよな。