わがまま1つで笑うなら、なんだって聞いてやる。


アイスぐらい何個だって買ってやるよ。


すげぇ暑いけどこんな時間なら、ずっと続いて良いと思った。



「ありがとう‼︎珀疾さん‼︎」

「別に〜。うまい?」

「すんごいうまいです。ヤバイ」

「腹壊すなよ。アイスばっか食ってっと…」

「もう‼︎それ、お母さんにも言われました‼︎」


ぷいっと横を向いて、頬を膨らます。


その表情とか可愛いの知ってんの?


イチゴフラッペを頬張ってる隙を狙って、不意打ちチュー。


「あ、あああ…は、珀疾さん⁉︎」

「ごちそーさま。これ、けっこー甘いな」

「ここ外ですからー‼︎ダメです‼︎人に見られたら、どうするんですかっ‼︎」

「もっと、深いのして見せ付ける」


呆れた顔で俺の肩をバシッと叩いた。


もっと積極的なら良いのにな〜。


「チ、チューしたいなら言って…?」

「させてくれんの?」

「人がいなければ…しますっ」



杏菜の左手に、溶けかけのアイス。


暑さを肌で感じる炎天下。


「チューさせて…」

「良いですよっ」



前言撤回。


杏菜はこのままの積極性で十分。