優しい先輩はとんでもない不良でした




そんなある日、バイト終わりの俺に電話がきた。


『珀疾さん…。今、大丈夫ですか?』

「大丈夫だよ。どうした?」

『会いたい、です…。なんかもう寂しさ限界です…』


涙声の杏菜から可愛い電話。


ほんとはすげー疲れてて、今すぐにでも寝られる体。


でも杏菜に会いてぇよ……俺も。



車を飛ばして、アパートに来た。


合鍵でドアを開けると、涙目の杏菜がぎゅっと抱きついてくる。


「急にごめんなさい…。お風呂上がりに寂しくなって…っ」

「ははっ、髪べちゃべちゃ。乾かしてやるから」

「うんっ…ありがとう」

「泣くなよ〜。俺、杏菜の側にいるじゃん」

「分かってるけど嬉しくて〜…」


寂しがりやの杏菜に一人暮らしは、心細いよな…。


だから今日は泊まる事にした。



風呂を借りて、置きっぱのスエットに着替えてベッドへ。


「久しぶりに珀疾さんと寝る…」

「お互い忙しかったもんな」


頷いた杏菜が、そっと擦り寄ってきた。