優しい先輩はとんでもない不良でした




いつも通りバイトを終えたのは夜の10時半。


外真っ暗だー…。


「杏菜ちゃん‼︎気を付けて帰りなさいよ‼︎」

「ありがとうございます。あたしは大丈夫です‼︎」

「可愛いから心配よ〜」


金森さんは優しい言葉を掛けてくれる。


みんな心配しなくても大丈夫なのに。



あたしの代わりに来たバイトの人と交代をして、裏口からコンビニを出た。


…さすがに怖いかも。


千香に警告されたし……。


けど、徒歩10分の距離だから走ればすぐだよね?


走り出そうとした瞬間だった。



––––––––ガサッ‼︎


「…っ‼︎誰⁉︎」


足音がした気が……。


ダメだよ………。


やっぱり怖い…‼︎



裏口に戻り、気付けばスマホを握り締め電話を掛けていた。


『どうした?…杏菜?』


大好きな人の声…安心する…。


「珀疾さん……」

『杏菜⁉︎どこにいる?大丈夫か?』

「コンビニにいます…ごめんなさい…。たった10分の距離だけど怖いんです…」

『分かった。絶対にそこから動くなよ』


今はただ、珀疾さんを信じて待ちます。