優しい先輩はとんでもない不良でした




放課後の予定が無くなったあたし。


傘忘れた……。


早く帰りたいし、惨めだし。


気持ちがぐちゃぐちゃ。



どうせ雨に濡れても良いよね?


珀疾さんに会う予定ボツだもん。


コンビニまで走って傘買って帰る‼︎



「珀疾さんのバカぁー‼︎」


走って、走って、雨の音に混じるあたしの言葉。


もう知らないんだから………。



ぐしゃっと濡れた気持ちの悪い制服。


そのまま、コンビニに入りビニール傘を手に取る。


「あれ…杏菜、ちゃん?」

「へっ?…はっ、晴君‼︎」

「杏菜ちゃん大丈夫⁉︎雨にやられた⁉︎え、ちょっ、トイレ‼︎トイレ行きます‼︎」


プリンになりかけの金髪。


前髪はピンでとめて、相変わらず可愛らしい晴君。


ただ、掴まれた腕に伝わる力はちゃんと男の子だ……。


「制服脱いで‼︎風邪引いちゃうよ‼︎」

「あ、でも…」

「俺のパーカー貸すよ‼︎体育で使ったけど、汗かいてないし‼︎」

「うん、ありがとう…」



晴君から借りた黄色のパーカー。


また派手な色で……。


でも、気持ちは嬉しいよ。