【杏菜side】
ジメジメと暑い日差しが肌を刺す。
いつもなら、うざったい暑さも今日は気にならない‼︎
「ねぇ、ニヤニヤしてキモイ‼︎」
「だって〜…2週間振りだよ⁉︎楽しみ過ぎる〜‼︎」
「いいな〜‼︎あたしなんて、もう1ヶ月近く会ってないもん……」
金髪が目立つ千香と学校へ向かう道。
珀疾さんに会える嬉しさから、頬が緩みまくる‼︎
しかも、梅雨なのにこの天気だよ⁉︎
天気まで、あたしと珀疾さんの味方になってくれたの⁉︎
嬉しい〜♪
なんて浮かれてた昼休み。
珀疾さんからの電話で一気に、谷底。
『わりぃ。急遽代打でバイト入った』
「えっ…。デートは…」
『また今度な。講義始まるから切るわ。ほんと、ごめん』
プツッ––––––––………
呆気ない…。
ずっと楽しみにしてたのに軽くない⁉︎
「最悪っ…‼︎はぁ〜……」
廊下の窓から見えたグラウンドの様子。
ザーッと雨が降りしきる。
降水確率10%って、お天気お姉さん言ってたのに…。
天気と心が比例してます……。