【杏菜side】
ポカポカと陽射しが差し込む暖かな春のカフェのテラス。
久々に珀疾さんとデート‼︎
平日の放課後だから、制服姿がちょっと〜……。
珀疾さんは私服なのに。
一つの年の差が悔しい……。
「杏菜。話してぇことある」
「え?なんですか?」
「俺、合コン行く事になった」
「そうですか。………はぁ⁉︎」
え、今なんて言ったの?
〝合コン〟って聞こえたんだけど⁉︎
き、き、聞き間違いだよねっ‼︎
「今日は暑いですねっ‼︎直射日光って感じで‼︎あはは……」
「大学の友達に数合わせで無理矢理」
「…聞きたくないです。言い訳なんて」
「俺、杏菜に嘘つきたくねぇから話した。良い気はしねーよな…」
「分かってるじゃないですか……」
毎日まともに会えないんだよ?
1週間に1回会えるのが良いとこ。
それなのに………
「他の女の子に会うなんて…」
「杏菜しか見えてねぇから。信じとけ」
ポンポンと頭を数回撫でられた。
嬉しいし、ドキッとする。
でも、大好きな珀疾さんが合コンなんて嫌かも〜……。