結局、俺んとこに来てくれた杏菜は弁当を抱えて昇降口へ。


階段に座って食べてる仕草とか小動物。


めっちゃ可愛い…。


「うげっ…あたし、ピーマン嫌い…。珀疾さんっ…」

「1個は食えよ」

「無理っ…」

「あーんしてやるから」

「ふぇっ…あ、あーん…。ん〜‼︎ヤダ‼︎苦いっ‼︎」


それよりもさ……。


涙目で口開けてる杏菜に、興奮したのは俺だけですか…。


約束通り、ピーマン食ってやったけど。



「あたしピーマン嫌いです」

「俺は〜?」

「すっ…‼︎い、今聞かないで…」

「俺、素直で正直な女の子好き」

「好きですよ…珀疾さんのこと」


こんなに可愛い彼女なのに。


俺は、受験が理由でデートの一つもしてやれない。


「杏菜。…我慢させてごめんな」

「その代わり、受験終わったらいっぱい一緒にいてもらうもん‼︎」

「あぁ。絶対な」



杏菜との将来のため。


全力で頑張ってやる。


寂しい思いさせてるけど、あと少し待っててな。