優しい先輩はとんでもない不良でした




毎日、昼休みは美術室に来てた杏菜。


最近は週に2、3回程度しか来なくなった。


いや、3回も来れば良い方。


「珀疾、なんか嫌な事でもしたんじゃねーの?」

「ん〜…心当たりない…」

「女の子って俺らが思ってる以上に繊細だからな」

「和泉に言われたかねぇわ……」


女の子取っ替え引っ替えするヤツに分かるはずねぇよな。



放課後はいつも通り帰れるのに。


今日の放課後聞いてみよ……。



「杏菜。なんか嫌な事でもあんのか?」

「ええっ⁉︎きゅ、急になんですっ⁉︎」

「最近、昼休み来ねぇじゃん?」


心配してんだよ、バカ……。


ピンクのマフラーで口元まで隠れた顔。


それでも、クスクス小さな笑い声は分かる。


「変な気を使わせちゃいました?」

「は?」

「受験生だから…毎日行ったら迷惑かな〜って。昼休み、いつも勉強してるでしょ?」

「してっけど…‼︎お前こそ、変な気ぃ使うなよ」

「頑張ってるのに、邪魔したらダメだから…」


杏菜、分かってねぇよ。


俺はお前が近くにいるだけで良い。


顔見れるだけで満足だし………。