でも、悠吾君といると珀疾さんが良い顔しないの。
どうしたら良いのか……。
数日後の放課後。
鞄を持ち上げ、珀疾さんがいる美術室へ行こうとすると教室の出入口でバッタリ。
緊張した様子の悠吾君……。
「あ、杏菜ちゃん…今良いかな?」
「うん、良いよ‼︎でも…珀疾さんが待ってるから…」
「大丈夫‼︎早く終わるから‼︎来て‼︎」
「えっ⁉︎ちょっ、悠吾君‼︎」
手を引っ張られ、連れて来られたのは階段の昇降口。
誰もいないや……。
「急にごめんね?伝えたい事あって…」
「伝えたい事?」
「うん。俺ね、本気で杏菜ちゃんが好きっぽい」
「………へっ⁉︎ええっ〜⁉︎嬉しいけど…ごめんね?」
「フラれる事ぐらい分かってるよ。でも、俺諦めないから」
顔を赤くしてニコッと笑う。
ど、どうしよう⁉︎
告白された上に、諦めない発言。
珀疾さんにバレたら厄介だよぉ〜…。