優しい先輩はとんでもない不良でした




すごく困った顔してるじゃん……。


どうして、あたしは好きな人を困らせてるのかな…。


「…もうヤダ…っ」

「何嫌で泣いてんの?話してくんないと分かんねぇよ…」

「うぅっ…嫌い…。珀疾さん嫌いっ‼︎」

「少しかまってやれねぇだけで、お前はガキか。自分勝手過ぎ」


分かってる‼︎


分かってるからこそ、泣けてくる…。


年下で子供な自分が悔しい…っ。


「もう知らねぇ…。勝手にしろ」

「言われなくても勝手にします‼︎大嫌い‼︎」

「俺も今の杏菜大嫌い」



悔しいのと情けないのと、寂しいのとで……感情ぐちゃぐちゃ。


大嫌いって言われちゃった…。


階段の昇降口に一人、考えていると男の子が数人通った。


その中にいた茶髪の子……悠吾君。


「杏菜ちゃん…。何かあったの?」

「えっ、と…」

「俺で良ければ相談乗るよ」


悠吾君に甘えちゃいそう……。


珀疾さんなんて知らないから…。



〝大嫌い〟の言葉の重さは、分かってたつもりなのにね。