優しい先輩はとんでもない不良でした




別に嫉妬してほしいワケじゃない…。


ただ、側にいたいだけなのに素直になれないバカなあたし。


イライラする…っ。



気付けば一人で美術室まで来ていた。


教室は当たり前に授業中なのに、抜け出しちゃったよ……。


珀疾さんに会いたい気持ちが勝っちゃったの。


「……失礼します…珀疾さん」

「うわ、びびった‼︎杏菜か。授業中なのに珍しいな」

「えっと…気分です」

「そっ。チョコ食う?」

「いらない…」


食べ物で釣られないもん。


ってか……珀疾さん、あたしの方見てもくれない。


あたし彼女ですよね…?


「…ねぇ、珀疾さん」

「ん?」

「あたしが悠吾君といたら……妬いちゃう?」

「別に。友達だろ?」

「そう、だけどさ……」


シャーペンを走らせながら答える横顔。


そんな簡単に答えなくても良いじゃん。


なんで、そんな素っ気ない態度ばっか取るの……。


「あたしのこと嫌いでしょ」

「…は?」

「無理しなくて良いです。嫌いなら、嫌いで良いですから…」


すごくイライラした。


それと同時に、涙が止まらなかった…。