それでも逃げなきゃ‼︎


あんなヤツらに人生奪われて溜まるか‼︎


だけど…もう限界……。


脚がふらつき、まともに走る事さえ困難。


目線を下に降ろしながら、苦しさに耐え走っていたその時。



–––––––ドンッ‼︎


だ、誰かにぶつかった⁉︎


その反動で、廊下に尻もち。


「いっ、たぁ〜…。すいません‼︎ケガありま、せ、ん…か…⁉︎」


見上げた瞬間、サァーッと血の気が引いた。


目立つ金髪に、左耳にはピアス。


おまけに、咥えタバコときた。


ぜ、絶対この人も不良じゃーん‼︎


「ほ、ほんとに…申し訳ございませんでしたぁ〜‼︎お、お許し下さいっ‼︎」

「…そんな事より、さ」

「え?」

「お前の背後に、鬼の形相のヤツら立ってるけど…」


尻もちをついたまま、そーっと振り向くと………


「やーっと捕まえたぜ。暴れんなよ」

「これで、舜也さんに殴られないで済むな‼︎」



あぁ………


とうとう捕まってしまった。


この先、待ち受ける恐怖心に強く目を閉じる。


嫌だ……。


どうしよう……。