いきなり窮屈な空間が嫌になった。
すげー風に当たりたくなった。
「和泉。外出て来る」
「おう。あっ‼︎じゃあ、ついでに昼メシ買って来て」
「はぁー?」
「釣りで、チョコ買って良いから」
「仕方ねぇな」
『チョコ』は重要。
三度の飯より、普通の板チョコが好き。
スマホと和泉から預かった千円を持ち、咥えタバコで外に出た。
〝過去のコト忘れろよ〟
やたらと脳内に響く和泉の言葉。
俺だって忘れたい。
やっと忘れかけてんのに………
「瀧澤先輩…?」
「…あ。杏菜」
校門で、黒髪セミロングを風に靡かせる杏菜にバッタリ。
「先輩‼︎またタバコ吸ってる‼︎身体に悪いですよ‼︎」
「はいはい。やめます」
地面に投げて、靴底で潰した。
可愛い後輩に言われたら、やめるしかねぇもん。
「つーか、もう授業始まってんぞ。遅刻?」
「はい…。寝坊しちゃって…」
照れくさそうに笑った。
普通に可愛い。

