優しい先輩はとんでもない不良でした




次の日の午後。


駅で絵梨さんと待ち合わせして、最寄りのカフェに入った。


この雰囲気落ち着かねぇ……。



「どうしたの〜?話って」


首を傾げて余裕の表情の絵梨さん。


この人に振り回されてた俺がバカに思える。


「俺、別れてんのにどっかで絵梨さんのこと引っ張ってた」

「…うん」

「だけど、本気で大切にしたいヤツがいるから……」

「珀疾。あたしもね、大学卒業したら彼との結婚が決まったの」

「良かったじゃん。おめでと」

「ふふっ、ありがとう」


これで本当にサヨナラだ。


絵梨さんに会う直前に、俺は電話番号もメアドも消した。


気持ちだって、とっくに吹っ切れたし。


「彼女さんと幸せにねっ」

「絵梨さんこそ」

「よく言うわ〜。年下のクセにっ」


言ってやるよ、いくらでも。


俺は杏菜と幸せになるから。



絵梨さんと別れてカフェを出ると、生温い風が頬を掠めた。


もう夏だもんな……。