和泉さんが部屋を出てった隙に、普段のあたしじゃ出来ない事。
初めて、自分からのキス。
もう一回〝好き〟って言って………。
あたしは大好きだよ……。
「足りねぇよ。そんだけじゃ」
「ひゃっ…んっ…。珀疾さん…」
「…絵梨って俺の元カノ」
「あ…。うん……」
「向こうにも婚約者いるし、俺には杏菜がいる。つーか、俺は杏菜しかいらない」
あたしの頬を両手で包み、触れた珀疾さんの唇。
甘くて熱いキス。
もっと、もっと、してほしいの……。
「てめぇら家帰ってやれ‼︎バカップル‼︎」
「いっ、和泉さん⁉︎」
「杏菜のキス顔見てんじゃねーよ‼︎」
「逆ギレ⁉︎上等だ。表出ろや、アホ」
「嫌ですー。杏菜とイチャるんで無理ですー」
「だから家帰れ‼︎」
久しぶりに心から笑えた。
〝元カノ〟ってモヤモヤして悔しいけど……。
離れた分は少しずつ取り返そうね。
大好きだよ、珀疾さん。

