【杏菜side】



毎日毎日、涙が全部無くなるくらいに泣いた。


あたしには珀疾さんが必要だよ……。


側にいてほしい………。



でも、進むためには仕方ないよね。


別れを告げたその日に、ネックレスを机の中に閉まった。


珀疾さんとキレイな思い出のままで。



今でも、匂い、仕草………。


忘れられないの。



心はズタズタに傷心中でも、学校には行かなきゃダメ。


千香に『先行ってて』とメールを送り、遅刻ギリギリに登校。


気分が乗らな過ぎる………。



1階の廊下を歩いてると、向かい側から目立つチャラ男集団。


センターにいるのは隼疾君。


珀疾さんは、どちらかと言えば少人数派。


でも、隼疾君はわいわい大人数で騒ぐタイプみたい。



「あっ‼︎可愛いお姫様発見〜♪」

「お姫様じゃないよ〜。おはよ、隼疾君‼︎」

「おはよう、杏菜さん‼︎」


隼疾君の笑顔って元気出る‼︎


今日も頑張ろうって思えちゃうもん。