優しい先輩はとんでもない不良でした




それから学校で杏菜に会う事はなくなった。


家でも連絡なんて取り合わない。


学校にいてもなんか虚しくなるだけで、久々にタバコに逃げた。


「珀疾。お前、そろそろハッキリしろ」

「何が?和泉に関係ねぇよ」

「ある。杏菜、俺に会う度に泣きそうな顔で珀疾のこと聞くんだぞ?」

「知らね…。アイツの勝手だろ…」

「見損なった。珀疾がんな根性ナシだと思ってなかったわ」


不機嫌に美術室を出てった和泉。


無償にイラついた。


「くっそ………」



分かってる。


杏菜を傷付けてる事も……。



家に帰ると、隼疾が珍しく俺の部屋に来た。


「杏菜…すげー寂しそうな顔してた」

「そっ……」

「バカッ‼︎好きな女にあんな顔させんなよ‼︎泣きそうな顔とか見たくねぇよ……」

「俺だって見たくねぇ…」

「気ぃ抜いてたらマジで杏菜のこともらうから。力付くでも」


隼疾の顔がマジだった。


杏菜と別れるなんて想像もつかねぇよ……。