優しい先輩はとんでもない不良でした




だからって、こんなにカッコイイ先輩がなぜあたしを⁉︎


「もっと可愛い女の子たくさんいますよ、世の中」

「なんだろ…。お前のことほっとけない」

「ほ、ほっといても大丈夫ですよー…」

「そ?」


首を傾げるとキレイに染められた金髪がサラッと風に揺れる。


あたしが先輩の彼女なんて………


考え込むと同時に電車が着いた。


「では…先輩‼︎あたし帰ります‼︎」

「あれ?彼女になってくんねーの?」

「ほ、他を当たって下さい‼︎それから、からかうの禁止です‼︎」

「からかってねーって」


瀧澤先輩は困った様に笑った。


困ってんの、あたしだよ。



足早に電車に乗り込み、先輩に軽く頭を下げる。


「ありがとうございました‼︎えっと…さようならっ」

「ん。またな、杏菜」

「ふぇっ⁉︎」



電車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出した。


「杏菜」って………。


初めて瀧澤先輩に名前呼ばれた…。


たったそれだけで、胸がきゅーっと苦しくなる。



なんだか不思議だなぁ……。