疲れて動けない杏菜に代わって、朝メシは俺が作った。
少しぐらい料理出来るし。
「あははっ‼︎ヤバイ‼︎珀疾さんの手料理〜‼︎」
「写真撮ってねぇで早く食えよ…」
「だって〜‼︎学校で、千香とか夏実に自慢したいんだもん‼︎」
「しなくていいっつーの」
こんなに喜ぶなら、もっとなんか作ってやれば良かった……。
俺は杏菜の料理のが断然好きだけど。
午前中ダラダラ過ごしてると、怪獣である弟のご帰宅。
俺と杏菜の時間が〜……。
「杏菜さ〜ん‼︎俺、杏菜さんに会いたくて早く帰って来たんス‼︎」
「そうなの〜?ありがとう、隼疾君‼︎」
「やべぇ…めっちゃ可愛い…。珀疾、杏菜さん下さい」
「無理。杏菜が俺にベタ惚れだから」
「そんなの分かんないじゃーん‼︎」
杏菜まで隼疾の味方か。
随分と立場が偉くなったもんで。
隼疾を無視して、杏菜を俺の部屋に連れ込んだ。