家に帰るとちょうど隼疾が帰って来てた。
帰るタイミング一緒なんて、変なとこで似た兄弟だよな……。
「珀疾‼︎俺、決めたぜ」
「…何を?」
「高校行く。今から願書書いて提出する‼︎」
「どこの高校行くつもりだ?」
きっと、今日一緒にいた頭の良い琴未に感化されたんだろ。
隼疾は勉強出来ねぇから無理な気がしかしねぇけど……。
「俺……杏菜さんと同じ高校行く‼︎」
「はぁ⁉︎それじゃあ、俺とも同じだけど…」
「珀疾が目的じゃねーよ。俺は杏菜さんがいれば何もいらねぇ」
「だーかーら、杏菜は俺の彼女だ」
「奪ってやるから油断すんなよ?」
挑戦的な目で俺を見てから、早速願書書き出した。
字汚な過ぎだろ…。
実の弟だけど、俺のライバルが増えるって事?
逆に弟だからこそ、アイツが本気で杏菜のこと奪いそうだ。
絶対、隼疾になんて渡さねぇけどな。
俺と杏菜の仲を裂けるなら裂いてみろ。
そんなのに邪魔させないくらい、俺は杏菜のこと好きだ。