中学の卒アルは絶対にダメだ。
杏菜に見られたくねぇし、俺も見たくないから…。
せっかく忘れた過去を、また思い出すなんてヤダ。
これだけは、杏菜にも知られたくねぇ。
「珀疾さん…?」
「ん?あ、いや。考え事」
「そっか…それなら良かったです。悩んでる顔してたから……」
「気にすんな。つーか、お前はいつ実家帰んの?家出少女が」
「帰りたくない…」
そんな、ワガママ言われてもなぁ〜…。
俺はずっと杏菜が家にいても良いけど、益々親との確執深まるだけだろ?
困った………。
「お父さんに会いたくないんです…」
「そんな事言うなよ。お前のこと心配してるぞ?」
「してない‼︎あたしの心配なんて……」
「俺も一緒に行ってやるから。な?」
ツライなら2人で分ければ良いじゃん。
俺はもう一回、杏菜の父親に怒られる覚悟だって出来てる。
なんせ大事な一人娘が、金髪の男と一緒にいるんだ。
そりゃあ、お父さん心配になるよな。
杏菜に比は無いから。
俺が庇えるとこは、庇いたい。