優しい先輩はとんでもない不良でした




予感的中と言わんばかりに、部屋のドアが開いた。


ズカズカ入って来たのは怪獣(弟)。


「おい‼︎珀疾〜‼︎」

「なんだよ、隼疾。勝手に部屋入って来んな」

「めっちゃ可愛い‼︎何、この天使‼︎」

「可愛いだろ〜。俺の彼女。ベタベタすんじゃねーぞ」


隼疾の視線の先には、トイレ帰りの寝起き杏菜。


隼疾と初対面だもんな。


「あっ、あの〜…」

「俺、瀧澤隼疾です‼︎結婚して下さい‼︎」

「させるかバカ‼︎早くどっか行け‼︎」

「けっ、け、結婚⁉︎そのっ……あたしは珀疾さんのなので…」

「珀疾より幸せにしますからぁっ‼︎」


ふざけんな、って感じだ。


まぁ、キッチリ断った杏菜は上出来。


俺らの仲は、もうそう簡単には壊せないし壊させない。



弟にムキになっても意味ねぇよな……。


杏菜は静かに笑って、ベッドにいる俺の隣に座った。


「珀疾さんの弟何才?」

「今、中3。受験生のクセにすげーバカ」

「中3か〜…。やっぱ兄弟だよね‼︎何処と無く似てる‼︎」


小さい頃はよく言われた。


けど、今言われてもあんま嬉しくねぇよ…。