【珀疾side】
俺の隣で規則正しい寝息を立てる家出して来た……彼女。
別れた雰囲気だけど、彼女って思って良いのか…。
腹立つほど可愛い寝顔。
吸い込まれる様にキスをした。
唇を離すと、パチッと大きな目が開き柔らかく微笑む。
「珀疾さん……」
「…やっぱ好き過ぎる。お前のこと」
「あたしはずーっと好きだもん。彼女に戻りたい…」
「バカ。杏菜はずっと俺の彼女だよ」
起き上がったボサボサな髪の杏菜。
頭を撫でて、さっきより長めのキス。
〝好き〟なんて言葉一つじゃ足りねぇよ……。
「ふふっ…‼︎」
「何笑ってんだよ…」
「トイレ行きたいです‼︎」
「部屋出て左の突き当たりな。ったく、いきなりトイレって…」
「仕方ないじゃないですかー‼︎」
それが杏菜らしくて良いんだ。
俺も気楽に一緒にいられる。
「うわぁー‼︎」
「きゃっ⁉︎」
部屋の外から聞こえた二つの声。
嫌な予感………。

