あたしの表情で悟ったのか、夏実はそれ以上何も言わなかった。
優しさが嬉しいのに、痛い……。
「ってゆうか‼︎クリスマス暇なら、遊ばない⁉︎」
「ええっ⁉︎あたしと…夏実が⁉︎」
「ダメ〜⁉︎」
「まさか‼︎嬉しいけど、いつものメンバーの子達は……」
「みーんな彼氏持ち的な?あたしも彼氏ほしーい‼︎」
悔しそうに騒ぐ夏実は案外、小柄。
小さくて可愛いのにね。
クリスマスイブの放課後。
超ギャルの夏実と普通過ぎるあたしが駅ビルを一緒に歩く。
不思議な感じ〜‼︎
「杏菜と遊ぶの初じゃーん‼︎」
「そうだね〜‼︎まさか夏実と仲良くなるなんて……」
「学祭ん時が初絡みだっけ⁉︎超懐かしい〜‼︎」
「夏実から話し掛けてくれたんだよね‼︎あの時は、ありがとう」
「はぁ⁉︎や、やめて‼︎照れるわバカ〜‼︎」
バシバシとあたしの背中を叩く。
照れちゃってる?
でも、あたしはまた夏実に助けられてるよね。
本当に感謝しなきゃ。