和泉は特に泣いてた理由は探らなかった。


深く聞かないのが、アイツの良いところだ。


「まぁ…女の子泣かすのは良くねぇよな」

「和泉に言われたくねぇよ。…タバコ1本くんね?」

「あれ?珀疾、自分のねぇの?」

「ずーっと吸ってない。杏菜と付き合い出してから」

「ははっ‼︎変わったね〜お前も」


久しぶりに吸ったタバコは、不快極まりない……。


こんな咳き込んだっけ?


完全に吸えなくなってる……。


「早い内、杏菜とヨリ戻せよ」

「ん〜…嫌われた気がする」

「でも珀疾がよく半年近く付き合ったよな。感心するわー」

「ははっ、俺もー」



杏菜は俺なんかと付き合ってて幸せだったのかな?


俺はすげぇ幸せだった。


自分から言ったクセに、出来る事ならもう一度なんて思う。


好きなヤツには笑っててほしい。


傷付いてほしくねぇんだ。