優しい先輩はとんでもない不良でした




頭が痛くなるほど考えた。


ずっと、ずっと杏菜と俺のことを考えて辿り着いた答え。



次の日、珍しく朝から杏菜が美術室に来た。


目が真っ赤に腫れてる……。


「珀疾さん…和泉さん。昨日はありがとうございました。そして…ごめんなさい」

「なんで杏菜が謝んの。なんも悪くねぇよ。な、珀疾?」

「あぁ。責任感じんなよ」

「…うんっ…。ありがとうございます…」

「じゃあ、あとは2人でゆっくり話せよ〜。俺、保健室行って来る」


2人にしてくれんのは和泉の気遣い。


和泉が出てってから、妙に静かな空間が居心地悪い…。



俺の隣に座った杏菜が、泣きそうな声で呟く。


「…あたしっ…助けてもらったのに、珀疾さん…傷付けた…」

「泣いてんの…?」

「ふぇっ、ん、だって…悔しくて…」

「なんで?」

「お父さんがっ、あ、あんな事言ったから…っ」


泣いてる杏菜の背中を撫でてやる事しか出来なかった。


泣かせたくない。


ただ、杏菜の笑顔が見たいだけなのに。