これは事実だ。
俺が側にいれば、杏菜が傷付く事はなかった。
「お父さん‼︎珀疾さんは悪くないよ‼︎助けてくれたの‼︎」
「杏菜は黙れ。誰だ、この柄の悪いヤツは」
「お付き合いしてます、瀧澤珀疾です。本当にすいませんでした」
「いいか。お前みたいな男は絶対に認めない。早く帰れ」
彼女の父親に怒られる。
だいたいの想像はついてたけど………
けっこー傷付くな……。
「そんな言い方しないでよ‼︎あたしの事守ってくれたんだよ⁉︎」
「もう、杏菜に近付かないでくれ。いいな」
そんなの良くねぇよ。
でも、ただひたすら頭を下げるしかなかった…。
杏菜とは引き剥がされた別れ方。
泣きながら俺の腕にしがみついてた。
離したくねぇけど、杏菜の頭を撫でて宥めるしかなくて。
俺って情けない……。
真っ暗で寒い夜道。
1人で歩くと嫌でも、ツライ事を思い出す。
結局、俺は本気で好きになったヤツと一緒にいられねぇのかな……。
好きなヤツを守りきれない俺も悪い。
でも、もう杏菜を悲しませたくねぇ。
俺はどうしたら良い?

