月華〜人二見捨テラレタ少年〜


先生がイラついてきているのは 分かったし、手をあげられるんじゃないか 怖かった。

『何なにー⁇どうかしたの⁇』

突然現れた長い黒髪の美少女……これが私と理亜との出会い。

『いえ、何もありません。』

『……どうしたの、その痣。
隠してるけど、本当は他のところにもたくさんあるよね⁇』

『貴女には関係ありません‼︎』

私の方に伸ばしていた理亜の手を思いっきりはねのけた。

『あ……すみません。』

『……ううん、気にしてないよ。
ごめんね、嫌なことしたね。』

そう言って、行ってしまった理亜の背後姿をただただ見つめた。