月華〜素直ニナレナイ少女〜


次の日、幼稚園に行ってみると そこには理亜が居た。

「りーちゃん、りーちゃん‼︎」

まだあまり舌が回らなかった私は、理亜のことを "りーちゃん" って呼んでいた。

「さきちゃん‼︎」

理亜は笑顔になって、私の方に駆け寄ってきてくれた。

「今日からね、理亜も この幼稚園に通うことになったんだぁ。

友達が居なくて、寂しかったの。

さきちゃんが居て、良かった。」

そうは言っていたけれど、理亜は初めての転入生。

何もしていなくても、皆の方から 理亜のところへ集まってきていた。