月華〜素直ニナレナイ少女〜


「着いたよ。」

そう言われたのは、大きな家の前。
その頃、まだ私自身が小さかったからかもしれないけれど 大きな家だな……って思ったのを覚えている。

ピーンポーンー
お父さんが玄関のインターホンを鳴らすと

「はーい‼︎」

っていう声が聞こえてきて、それから ドドドドーという大きな足音が聞こえてきた。

ガチャー
玄関のドアが開いて、中から 私と同じくらいの背の女の子が出てきた。

「理亜ちゃんかな⁇
初めまして、中に入ってもいいかな⁇」

お父さんの言葉を聞いて、女の子は首を縦に振った。