教室を出てから暫く 空き教室を見て回ったけど、都合良く 鍵が開いていた、なんてことはなくて。
最終的には立ち入り禁止の屋上、へ続く階段まで来た。
屋上に繋がるドアの前に座る。
……なんか、光が射していて 暖かいな。
そう思って、後ろを振り返ると ドアが少しだけ開いていた。
ラッキー。
私は立ち入り禁止の場所に足を踏み入れた。
転落防止の柵の近くまで歩みを進める。
上の方から街を見下ろすの好きなんだよね。
街をせかせかと歩く人たちを見ているのが。
理由はないんだけど、私が街を支配しているような気持ちになれて。
でも、ここから落ちると 死んじゃうよね。
そんなことを考え始めると 少し怖くなってしまって、私は柵から離れた。
昔、柵が腐っていた所為で生徒が転落死したことがあるらしい。
だから、この学校の屋上は封鎖されているんだ、って。
風の噂で聞いた。
今頃、教室では つまらない授業風景が繰り広げられているんだろうな……。
まぁ、別にどうだっていいけど。
でも、出席日数⁇とかのことも考えると 授業には出た方がいいと思うんだよね。
ただ、私の机は教科書を広げられるような環境にはない。
誰か、私の代わりに片付けてくれないかなー、なんて。
私の素性を知らない人たちが、わざわざ私の為にそんなことしてくれる訳ないよね。



