「んー、もう鼻が壊れる…。ちはる、どうしよう?」



ある日の休日。



「飛鳥が自分で決めなきゃダメだよ。」



私はちはるとショッピングデートをしていた。



そして、今いるここは、男性の香水が売っているお店。



「ケンに合うやつかぁ、なんかこれもイマイチ。」


「爽やかな感じがいいよね~」



もうすぐ―――2月15日は、ケンの誕生日。



クリスマスプレゼントのお礼と誕生日プレゼントを兼ねて、何か渡そうと思ったのだ。



ちなみに、前日のバレンタインには、しょうがないから義理チョコを渡そうかな、と。



この間、「もちろん、ももてぃチョコくれるよね?」なんてケンにプレッシャーかけられちゃったし。




「やっぱり無難だけど、シトラスの香調がいいなぁ。好き嫌いもなさそうだし、ケンにも合ってる。」


私は、いくつかあるシトラスの香調の香水の中から、お手頃な値段の香水をチョイスした。



「あ、いい感じ。私、翔にはこれにしたよ。フローラル、甘い香り好きだからさ。」


ちはるは翔くんに、バレンタインに香水も一緒にプレゼントするらしい。



相変わらずラブラブな二人が微笑ましい。



「お腹空いたね、映画まで時間あるし、ご飯食べよっか。」


「そだね~私、ハンバーガー食べたい。」


「あ、いいね、私も食べたい。」



ショッピングモール内にあるフードコートで、食事をすることにした。