*****


side.R





『北府高校の文化祭に行きます』




スマホに写し出された文面とにらめっこ。


素っ気ないかな。嫌われないかな。


そういう意味でにらめっこをしているわけでなくて。



「優季くん、許してくれるかなぁ」



ぽつり、呟いた一人言は部屋に吸い込まれていく。


「…………気合い気合い」


ギュッと強く目を瞑って、送信ボタンをタッチ。


目を開けると、送信中という文字で、すぐに『送信しました』と表示された。


あぁー、送っちゃたよー。


あー、なんか不安になってきた。


どうしようどうしよう。


落ち着きがない私は、部屋をぐるぐると回りだす。


バタバタバタ、バタバタバタ。



チロリンチロリン。


「へ、……返信来た…………」


見るのが怖い。


どうしよう。もう見なくていいかな‼?


「……うん。落ち着こっか」


思いきって、スマホに手を伸ばす。


チカチカと点灯するスマホ。


来るなって言われたら、何て言おう。


ここは意地でも行きます!!とでも返せばいいのかな‼?


優季くん、決めたことは曲げない手技だから、あの手この手で私が来る邪魔してきら、どうしよう‼?


殺し屋とか雇って、私を殺しに来たりして……っ。




「…ア、アーメン」




天に向かって、合掌する。


「…って、私はアホかい」


とひとりつっこみ。


別に私は友達がいないわけではないよ?


ただ自分の部屋にいるだけだから。