あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―


あーん。その単語に秀俊の頬がボッと一気に赤くなる。しかし、動揺しながらもすぐに持ち直した。


「あ、あんなの違うだろ!」


必死に言い返してはいるが、顔が赤いため覇気が無い。
(くそぅ私の彼氏様は可愛いなちくしょうめ)


「あーんだよ、ちゃんと箸使って口に入れてあげたでしょ?」
「入れてあげたじゃなくてただたんに口に突っ込んでただけだろが!」


そう、正に秀俊の言う通りだった。
梨乃達から離れる前にも一回だけあったが、まるっきりあれだった。あれそのものだった。