あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―




「あ、ねぇ見て!秀!的場先輩が梨乃のこと抱きしめてる!」
「あぁみてェだな」


ウキウキした表情で梨乃と慧を盗み見る朱は、とても楽しそうに見えるが、秀俊は違うようで壁に背を持たれてぐったりとしていた。


「秀ー?大丈夫?なんかあったの?」
「~っお前のせいだろが!」


秀俊が一気に朱につめよって言い返す。確かに秀俊がぐったりしていたのには、朱に一因どころか、全責任があったからだ。


「えぇ?あーんしてあげただけじゃん」