あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―

「あ、はい。お願いします」


ペコリと律儀にお辞儀をしてから秀俊の手を引っ張って日陰の多い場所へ移動したのを見送ってポツリとこぼす。


「朱ちゃんって本当気が利くわよねぇ体力さえあればマネージャーになってほしかったわ」


ズキリと慧の何でもない一言に胸が痛む。


「そう、ですね。朱は周りをよく見てますから、一緒にマネージャーになってたら楽しいし助けてもらう場面が何回もあると思います」


垂れてきた髪を耳にかけ直す。
慧の言い分に一理あるのは分かっているし、自分もそのことを認めている。