あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―



上手く伝えたい内容がまとまらず口をパクパクさせる朱を見かねてか、口を押さえて涙目の秀俊がモゴモゴと代わりに話し出す。


「つまり騙されてたんですよ、原先輩ってやつに」


ティッシュを朱から一枚貰い、ペッと種を出す。


「はらぁ?なに、あんなクズ野郎となんかあったの?」


慧が怪訝そうな顔で秀俊に行っていた目線を梨乃に向けた。
慧の言い方からして、相当クセがあるヤツらしい。


「その……付き合って、たんですよー。あははははっ」