あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―


やっと午前の部の授業が終わり朱は梨乃達をつれて屋上に向かう階段を一気に駆け上がり、ガチャリとドアノブを開けて一歩足を踏み入れた。

フェンスに体を預け下を向いていた慧は、顔を音に反応して上げる。そして、朱達を見つけた瞬間花もほころぶような柔らかい微笑みを浮かべて向かい入れた。


「的場先ぱーい!」
「ふふっ朱ちゃんは元気ねぇ、若いって良いわぁ」
「先輩と一つしか違いませんよ」


おそらく、この学園で唯一無二の強烈なカマ口調を聞いても朱はもう慣れっこなので初めて会ったときに比べたら驚くことが少なく無くなった。

一年以上たった今でもぼーっとしているときやなんの心構えをしていないときはオネェにはあまり免疫も無いので、さすがに驚いてしまうが……。