「せんせぇーたぶん大丈夫ですよ、きっと出逢いなんていくらでもありますから、元気出してくださーい」
教室の隅の方からどことなくふわふわした印象を受けるような声が聞こえて来たので朱だけに限らず様々な生徒達が反射的に後ろを振り向くと、なんと声の主は梨乃だった。
さっきの湿った雰囲気はどこへいってしまったのだろうか?
まるで強烈な風が吹いてきてなにもかもを吹っ飛ばしてしまったかのように泣き跡も腫れも嘘のように消えている。
梨乃の『出逢いなんていくらでもある』と言う言葉は、梨乃自身に言っているようにも聞こえた。
『野沢(のざわ)……』


