教師がかなり大きな声で独り言をブツブツブツブツとなげやりに呟いていた。
と言うか、お家って……
「アイツの独り言いっつもうるせェーんだよなァ」
朱の席の斜め前に座っている秀俊が呆れ顔で言った小さな声がたまたま朱の耳に入ってきて目をそちらに向ける。
秀俊も少ししてから朱の視線に気付き顔を反らす程度にこちらを見ながら「なんだよ」と口パクで言ってきた。
朱も首を振ってから口パクで「別に」と言ってそれに答えた後、また口パクの会話を少ししてから黒板の方を向く。
すると、教師とバチッと火花が散りそうな勢いで目が合ってしまい、朱はじゃっかん頭の機能が停止した。これは一体どうすればいいのだ……


