「梨乃……」 「んー?」 にこにこと幸せオーラを振りまきながらまさか自分が財布にされているとは微塵も思っていない梨乃を気の毒に思いながら朱は親友を救うために心を鬼にして切り出す。 「別れなさい」 「えぇぇー!何でいきなり!?」 梨乃は相当驚いたようで、かなり大きい声が出てしまった。おかげで、クラス中の注目を浴びるはめになる。居心地悪い。 「お前……マジ別れた方が良いってそんなやつ」 「うぐっ」