あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―



『秀はさ、不器用だから伝えたいこと相手にちゃんと言えないけど、』


一度、口を閉じて、また口を開く。


『私は、分かってるから。だから、無理に伝えようとしなくても大丈夫』




__見ててほしいんでしょう?一番近くで




そう耳元で言われたような気がした。





優しい声。優しいのに、どこまでも優しい声なのに、どうしてか胸を掴んで離さない力強い声。