あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―



朱は、凌雅の言葉にやっと顔を上げて相槌を打つ。その気まずさからか、朱は高く結い上げた髪の余った部分を耳にかけ直した。


「朱ちゃん話せないなら話さなくて良いよ、話してくれるようになるまで待ってるから」
「……ありがとうございます」


言葉に元気は無いけれど、健気に笑ってみせた朱に蓮は優しくはにかんでぽんっと軽く頭を撫でた。


「秀俊はうちのエース様だからねっ早く戻って来てもらわないと困るんだよ」
「まぁ秀俊がいなくてもだいたいは勝てますけどね」
「そういう事じゃ無いんだよ勝てる勝てないじゃなくてチームが締まらないって事」
「分かってます」