下睫毛の長い切れ長の目を少し歪ませて怒っているようにも呆れているようにも見える分かりにくい顔をする倉橋凌雅(くらはしりょうが)は、無言で朱の頭上に鋭い手刀を繰り出した。
「いった!」
「大袈裟に言うな馬鹿、大して痛くは無いだろう」
「そういう問題じゃない!何でいきなりチョップしてくるの!」
「お前がいきなり失礼な事を言うからだ」
放っておくと喧嘩でもしてしまいそうなくらいバチバチとなる二人の目線に、これはヤバいなと直感で感じた的場蓮(まとばれん)は、まぁまぁと言いながら二人の間に入る。
「まったく……凌雅は朱ちゃんと喧嘩しに来た訳じゃないでしょ?」


