ハッ……と自らを鼻で嗤う様に呟く秀俊を朱は、悲痛な面持ちで、見守る様にただただ話を聞いている。


「両親も医者も命に別状が無くて良かったとか言ってたけどよ」
「……うん」


朱と秀俊しかいない二人だけのこの空間に二人の声だけが静かに辺りに響いて消えてゆく。


「医者がさ意味分かんねぇ事言っててよぉ」


その言葉を呟いた途端。今までだらんと力を抜き、だらしなく開いていた手がぎゅっと力強く握られる。



その時