あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―



「俺は良いよ。だからさっさと行きましょうかなり時間ヤバいんだから」


言うなり梨乃の手を取って歩き出した慧を見て、あまりにも自然な動きだったために遅れた三人の反応は様々なものだったが、とりあえず朱の反応は、(ここまでのことができるくらいの彼氏になって欲しいような欲しくないような。まぁとりあえず恥ずかしがってウジウジしながらも恋人っぽいことを一生懸命しようとしている秀俊が可愛いので結果的にはこのままでヨシ‼)
……と言うものだった。じゃっかん変態じみたものを感じる。


「じゃあまた教室で」
「う、うんまたあとでね」


オドオドした様子で慧にはんば引きずられる形で連れていかれた梨乃を笑顔で見送り、こちらも歩き出す。